未定
小説家、土田春樹



頬がひりひりと痺れた。と同時に女は泣き顔で俺をみて、“大嫌い!!”と叫び、そしてはっとしたかとおもうと、駆け足で去って行った。
え、なに、どうして俺は叩かれたの。俺、何もしてないでしょ。てゆうかあの人自体知らないし。
ビンタされた頬をさすりながらゴミ捨ての途中だったことを思い出し、生ゴミが臭うビニール袋を、指定された場所に置いた。



まだ朝日が顔を出すのには早い時間。吐いた息はふわりと煙にように昇って消える。

そんな季節に彼女はやってきた。

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