macaron-ﾏｶﾛﾝ- *イケメンアイドル's Love life*

サクは後ろに倒れると、去ってゆくレイアを見つめて寂しそうな顔でつぶやいた。誰にも聞こえない程小さな声で。


「見ててって言ったのに。」




「おかえり、カイくん。ご飯出来てるよ。」


レイアが迎えに行くと、それまで疲れた顔をしていたカイの顔が、みるみる驚いた表情になっていった。


「皆川さん、待っててくれたの？」


「うん。昨日の事、直接謝りたくて。迷惑かけてごめんなさい。」


レイアは頭を下げた。


「そんな！ぜんっぜん迷惑かけられてないから！でも皆川さんが気になるなら、今日待っててくれた事でチャラにしよう！」


カイはニコニコしながら、レイアの両肩をそっと掴むと、顔を上げさせた。


「ありがとう。カイ君は大人だね。」


レイアはそう言うと、「すぐ食事の用意するね。」とキッチンに入って行った。


冷えた味噌汁やオカズを温め直して、カイが席に着くのを待つ。カイは帰ってからの手洗い、ウガイ、に時間がかかるので、急いで準備する必要は無かった。


食事の用意が全て整った頃、丁度カイもやって来た。