Butterfly's dream ―自我の境界線―
<自我の境界線>
 橘はスタッフルームに戻ると自分に宛がわれた4畳ほどの執務室へ直行した。


 邪魔臭そうに白衣を脱ぎ捨てると椅子に座り四肢を投げ出す。

 そしてデスクの上にあるブランド物のシガレットケースに手を伸ばしたところでここが禁煙すべき場所だという事にようやく気付いた。

 それと同時にそんな事に気付かない程滅入っているという事実を突き付けられる。


 橘はそんな自分に吐き気を覚えた。

 だがそれよりも。
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