Butterfly's dream ―自我の境界線―
 目の前ではっきりと心の闇を見せられた橘は医師としてではなく人として瑞樹と向かい合おうと思った。


 橘は瑞樹の名を呼ぶと屋上の南側にあるベンチへと誘う。

 瑞樹は一瞬怪訝そうな顔をしたがすぐにその言葉に従った。


 ベンチの左側に橘が座ると空いた右側を瑞樹に勧める。瑞樹はそこに座ると目の前の景色を眺めた。

 この辺りは自然も多く空気も澄んでいるので山間から遠くにある海の水平線が綺麗に見える。
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