かくしご
 次に気が付くと駅のホームの
ベンチにすわっていた。
時計を見るともう1時間はここに座っていることになる。 

 なぜ、美代子は勝手に出産したんだろう。 
なぜ自分に相談してくれなかったのだろう。 
費用はどうしたのだろう。 
美代子に収入はないのだから、
今後どうするつもりだろうか。

信太郎は、自分から連絡を絶ったのも忘れて、
美代子の事を責めた。さらに
 ≪私の処に相談に来ないという事は、
 私の子供ではないかもしれない。≫
と言うところに考えをまとめて、
目の前の電車に乗り込み家に向かった。


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