かくしご
思 い
 みつは、騒がしい声をいつもの事と
気にも留めずにたらいの中の洗濯物に力を込めていた。 
 みつは、あの信子を引き取ってから 
ひどくストレスを感じていた。

 買い物に出ても 近所の人がみつの事を噂しているように思う。
息子達の学校行事に出ても同じこと。 
信子の華やかな色の洗濯物は、端の方に干し、
買い物は、遠くの店まで行くようにしていた。

 三男が、小学校に入学したら、
色々な事を始めようと考えていたのに 
全て、消えてしまった。 

 以前は、女の子がいたらいいなと考えていたが、
いざ信子を引き取ると 
一人女の子が混じると面倒な事が起きる。 
男の子と違う感覚が、みつには慣れなかった。
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