おばあこに送った手紙
おばあこ!


さっちゃんが叫んでも反応はない…


お父さんとお母さんは主治医と話をしている。


おばあこ!


さっちゃんはもう一度力強く叫ぶ。


そうするとおばあこが口を開いた。


なんて、なんて言ったの?


さっちゃんは耳をすます。


人工呼吸器が邪魔して聞こえない。


…ごめんね。

ごめんねさっちゃん。

何もしてあげられなくて…


これから、いっぱい…して…あげたかったのに…

途切れ途切れに聞こえるおばあこのかすかな声。


もういいから…
おばあこ、ちゃんと伝わってるよ…
もう私のことは考えなくていいから…


これがおばあことさっちゃんの最後の会話だった。
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