花紅葉【短】
運命
陽だまりのような君の笑顔は可愛らしかったね。
君と新たなスタートラインに立ったのは
いったい、いつで何処だったのだろう?
紅葉がひらひら舞い散る中、制服を整える。
――10月の中旬、
俺はドキドキする心臓を抑えながら
学校の校庭裏にへと立っていた。
下駄箱に入っていた一枚の手紙、
それには俺を呼び出す内容が書かれていた。
人より一倍、照れ屋な俺はこんな呼び出しは初めてで、緊張をしている。
だって具体的には『告白』だったから。
俺を呼び出したのは前島ミヨウさん。
名前の『ミヨウ』は本当は『美葉』と書くと、
その手紙には書かれていた。
学年も、部活もしらないけれど好きな名前だった。
珍しい名前かもしれないけど、美しい葉って意味だから。
それに俺が美しい葉で思い浮かんだのは紅色の紅葉だった。
俺が一番好きなものだったし、この名前が大好きだった。
なあ…美葉……
あんなことが待ち受けていたのは
俺らの運命だったのか?
それとも神様のいたずらだったのか?
でも俺は君に出会えたことは
本当の運命だって信じてるよ。