『私も歩けばイケメンにあたる♪』
それからの数日は、
予想していたよりも
穏やかだった。
私も、
直樹君に話して、
少しすっきりしたせいか、
あいつにも、それまでと変わらない態度で
振舞うことができた。
GWも間近に迫ったある日、
心さんが、朝ごはんを食べながら、
おじさんに言った。
「親父!
GWの3日間、
海行きたいんだけど、
親父の別荘、借してくれよ。」
「わかった。
好きに使え。
火の元には気をつけろよ。」
・・はぁ~、
こりゃまた、
セレブな会話が始まったな。
おじさんも、
母も、
GWの間も仕事らしかった。
範君は、相変わらずサッカー漬けの日々を送っていて、
GWも練習と試合があるらしい。
暇なのは、私と、
あいつくらいか?
「誰と行くんだ?」
おじさんの声に、
心さんがこちらをじっと見て笑っている。
・・・え?まさか。
「俺と、清と、
・・ひかりちゃんも行くでしょ?」
こうして私の、GWの予定表は、
白紙から、真っ赤に埋まった。