『私も歩けばイケメンにあたる♪』
最初こそ、
わくわくしていたが、
しばらくしても、
まったく、
釣れない。
「釣れないね。」
私の隣に座っていた雅が、
つぶやいた。
「だね。
ねぇ、
光輝(こうき)とは、
うまくいってるの?」
釣りに飽きてきた私は、
中学の頃から、
雅と付き合ってる、
光輝(こうき)の話題を
ふってみた。
この前の電話で、
雅は、光輝とのことで、
少し悩んでいたからだ。
「うん、
この前話したことから
進展ないかな。
やっぱ高校が違うと、
色々出てくるしね。
メールも電話も
毎日してるけど・・、
やっぱさ、
遠距離恋愛じゃないけど、
今まで同じことを
見たり聞いたりしてきたことが、
違ってくるでしょ?
だから・・
むずかしいかな。」
雅は、あまり見せた事のない
寂しそうな笑顔で笑った。