『私も歩けばイケメンにあたる♪』

しばらく見とれていると、
あいつの
声がした。

「いつまで、
そこに突っ立ってるつもりだ。

暇なら手伝え。」

一度も顔を上げていないのに、
私がいるのに
あいつは気づいていた。

私は、
台所に入ると、
手を洗って、
あいつの隣に立った。


「じゃあ、おまえこっちな。
刺身にするから、食べやすいように
切って。」

そう言って、まな板と包丁を渡された。

魚自体は、
あいつが3枚にさばいて、
丁寧に洗っているので、

私のまな板には、
一般にスーパーなどで、
柵とよばれる、
お刺身のブロック状態のものが置かれていた。

母と二人暮しだから、
普段から料理はしているし、
少しは自信があった。

でも、魚なんて、
切り身を買ってきて、
焼くくらいしか、したことがない。

どうすればいいか、
わからない・・。






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