『私も歩けばイケメンにあたる♪』
「ねぇ、清にお礼言った?」
栞は、
ひとしきり笑った後、
真顔になって聞いてきた。
「言ってないけど・・。」
「言っておいでよ!
別に
深く考えなくてもさ。
心さんや、
範君には、
ちゃんとお礼言ってたじゃない!」
そうだった。
私は、
あいつにだけは、
なんとなく
お礼を言いそびれていた。
“ぶたのように”
って言葉に腹が立ったのもあるけど、
なんとなく
言いづらかった。
あいつと
話すと、
変なこと口走りそうで。