『私も歩けばイケメンにあたる♪』
「ひかり・・。」
背後からの声にも、振り向かず、
下を向いている私の横に、
栞が腰を下ろした。
不思議と涙は出ない。
こんなに酷いことされたのに、
なんでだろう。
「ごめんね。
私が、朝も待ち合わせて登校しようなんて
言ったから。
私が先に学校に着いてたら、
こんなことになってなかったかもしれない・・。」
「栞のせいじゃないよ。」
栞の言葉に、小さく首を振る。
「気にすることないよ。
誰も、本気になんかしてないから。」
「うん。わかってる。
ねぇ、栞・・。
私、調子に乗ってたかな。
いろんなことがあって、
毎日がジェットコースターみたいで、
泣くこともあったけど、
・・すごく楽しかったんだ。
片思いでも、好きな人の傍にいられて、
栞とも友達になれて、
新しい生活に不安が大きかった分、
ほっとして・・
浮かれすぎてたのかな。」