『私も歩けばイケメンにあたる♪』
「なんのこと?
別に、あんたのせいじゃないよ。」
抑揚なく、私は答える。
「直樹から全部聞いた。
俺のせいだから、気にするなよ。
あいつらには、もう手出しさせないから。」
背中から、熱い何かがこみ上げてくる。
どうにも抑えきれずに、
私は、壁を向いたまま、
大声でわめき散らした。
「なんでそんな事言うの?
私は、使用人なんでしょ?
あんたには関係ないじゃない!
私のことは、ほっといてよ!
明日から、学校も一緒に行かない!
出て行って!!」
これ以上、
泣きたくない。
傷つくのは、嫌。
一線を画して、
表面上の付き合いをしていけばいい。
そうすれば、
傷つくことはない。
心を殺して。
そう、母との関係のように・・。