『私も歩けばイケメンにあたる♪』

あいつが、持っていたお盆を、
机の上に置く音がした。

そのまま、足音が遠ざかり・・

扉の向こうに、
あいつは去っていった。



大声で泣きたかった。

声の限りに、

泣きつくしたかった。

涙のかれるまで

思いのままに。


でも、
それはできなかった。

ここは、
自分の家ではなくて、

隣は、
あいつの部屋で・・、


私は、布団に包まって、
声を殺して泣いた。

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