『私も歩けばイケメンにあたる♪』

「なんで、ケーキがあるの?」

斜めに傾いて、
とけかかった生クリームが申し訳なさそうにのっているそのケーキは、

お世辞にも、店で買ったものには、見えない。


「ん?
また作ってやるっつったろ?」

あいつは、そっぽを向いて答えた。


作ってやるって、
まさか、
私のために、
わざわざ作ってくれたの?


「あんたが作ったの?」


「俺以外の誰が作るんだよ。」


「(お手伝いの)香さんとか・・。」


「香さんが作ったら、
もっとましなのが出来てるよ。」


「だって、こないだは、
すごい立派なケーキだったじゃない。」


「こないだは、プロの指導を受けながら
作ったの。

道具も材料も揃ってたし。

今回は、ネットで作り方見て一人で作ったんだ。

おまけに、苺はもう売ってないらしくて、
全部缶詰だよ。

悪かったな!」



< 207 / 462 >

この作品をシェア

pagetop