『私も歩けばイケメンにあたる♪』

あいつの作ったスポンジを、
一口食べると、

やさしい味がして、
思わず、涙が零れ落ちた。


チッ、

と、またしてもあいつの舌打ちが
聞こえた。


「なんで泣くんだよ!」


「だって・・

スポンジが

硬いんだもん・・。」


素直に嬉しいと言えず、
スポンジのせいにした。


「え?
まじで?」


あいつは、
焦ったように言ってから、

フォークを持った私の右手を握って、
自分の口に持っていくと・・

そのまま、残ったスポンジを自分の口に
押しやった。

あまりにも自然な動作で、
抵抗する暇もない。


それって、
間接キスだよ~!




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