『私も歩けばイケメンにあたる♪』
少し食べたフルーツは、
呼び水のようで・・、
急にお腹が減っているように感じ、
私は、
あっという間に、
ケーキを完食してしまった。
甘いものを食べると、
今度は、辛いものが食べたくなって、
私は、夕飯に手をつけた。
満腹。
「よし!
全部食べたな。」
あいつは、立ち上がって、部屋から出て行こうとした。
「あの・・
ありがとう。
おいしかったです。
ごちそう様でした。」
敬語交じりで、ぎこちなくお礼を言うと、
あいつは扉のほうを向いて、
立ち止まった。
「使用人なんて言って・・、
悪かったな。」
あいつのセリフに、
忘れかけていた痛みがこみ上げる。
「もういいよ。
よく考えたら、香さんだって、
使用人ってことになるわけだし。
使用人って言われてショック受けるなんて、
香さんにだって、失礼だもん。
それに、私って、
言われてみれば使用人っぽい感じがするし。」
卑下するつもりはなかったが、
自分に自信がないのも事実だ。