『私も歩けばイケメンにあたる♪』
栞の言う迎えが、心さんの車であることは、
それから5分と経たないうちにわかった。
「ねぇ、
今日、ひかりの家に泊まっていい?
実はさ、泊まるつもりで、
お泊りセット持ってきたんだよね。」
心さんの車の中で、
栞は言い出した。
「えっと・・。」
栞の提案は、嬉しかったが、
自分も居候のような身分なので、
簡単に、いいよ、と言えない。
すると、私の代わりに、心さんが答えた。
「栞は、強引だなぁ。
けど、どう?
ひかりちゃんがよければ、
親父には、俺から言ってあげるよ?」
「やった~!
心、ありがとう!」
「ひかりちゃんの返事がまだだろ?」
「え~、
いいでしょ?ひかり!」
二人のやり取りに目が丸くなった。
いつの間に、呼び捨てする仲になったの?