『私も歩けばイケメンにあたる♪』
私の気持ちを読み取ったのか、
栞がこっそり耳打ちした。
『こないだ、皆で遊んだ後、
心と約束したって言ったでしょ?
で、あれ以来、毎日会ってるんだ。』
『そっかぁ。
おめでとう。』
羨ましい気持ちよりも、
素直に喜べた自分に、
ちょっとだけ、拍手した。
「二人で何こそこそ話してるんだ?」
教えてくれないと、
車から降ろすぞ~、
などと、心さんは、笑った。
水沼家に着く頃には、
栞のお泊りは、
確実なものになっていた。