『私も歩けばイケメンにあたる♪』

夜、ベッドの中で、
新しく出るCDの話で盛り上がっていた時、

隣の部屋で物音がした。


「あ、清が帰ってきたのかな。

ずいぶん遅いね。」


「うん、そうだね・・。」


なんとなく視線をそらす私に、
勘の鋭い栞は、何かに気づいたらしい。


「ねぇ、ひかりはさぁ、
清のこと、好きなんだよね?」


探るような栞の目つき。


「な、何よ、急に。」


完全に声が裏返ってしまった。
栞には、
以前苦しくなった胸のうちを明かしているので、

別に、焦る必要はなかったんだけど。


「何かあったでしょ?」


栞の目は、

“白状しなさい”

と告げている。

目は口ほどにものを言い、

とは、よく言ったものだ。
この格言を作った頭の良い人を
ココロから尊敬するよ。


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