『私も歩けばイケメンにあたる♪』
「なにそれ?
親なんて関係ないでしょ?
ようは、
ひかりが、
その人のことを好きじゃなかっただけでしょ。」
好きじゃなかった?
そうなのかな。
「好きになるとさ、
周りのこととか見えなくなるし、
親どころか、
友達や兄弟のことまで考えられないくらい
傲慢になっちゃうもんだよ。」
栞の発言は、
経験から来るような真実味を
かもし出しているように思えた。
「栞は、そんな風に誰かを好きになったことが
あるの?」
「ひかりは友達だから、
私のトップシークレット教えてあげるよ。
実はね、」
ひかりは、
内緒話をするように、
両手を私の耳元に置いて
小声になった。
「ええ!?
お姉さんの彼氏を好きになったの?!」
驚いて声を出した私に、
ひかりは、
シィ~ッと
人差し指を一本、唇の前にたてた。