『私も歩けばイケメンにあたる♪』

昼と夜とで、
まったく違う顔を見せる住宅街は、

住み慣れた自分にも、
初めて来た街のようで、

震えが来る。

駅までの道を早足で歩いていると、
コンビ二の明かりが見えて、
ほっとした。

とにかく、家に連絡しよう、
そう思って、携帯を開くと、

何件もの着信があって、
心配した母からの留守電も入っていた。

大急ぎで電話する。


「もしもし?
お母さん?

あ、ごめんなさい。
お父さんが会いに来てたの。

今から帰るから。
大丈夫、一人で帰れる。」


なるべく嘘が混ざらないように、
適当なことを言って、

ほっと息をつくと、
コンビ二の前にたむろしている2人の男たちが、

ニヤニヤと無遠慮な視線を
おくってきた。

私のほうを見ながら、
何かこそこそと話をしている。

気味が悪くなって、
駅までの道を駆け出した。








< 264 / 462 >

この作品をシェア

pagetop