『私も歩けばイケメンにあたる♪』
案の定、
私の後ろから、
2台のバイクのエンジン音が聞こえてきた。
必死で走ったのに、
すぐに追いつかれて、
バイクで道をふさがれてしまった。
「ねぇねぇ、暇なら、俺らと遊ばない?」
ぜんぜん暇じゃありません!
と、心の中で叫んで、
無視して通り過ぎようとすると、
背の低いほうの男に腕をつかまれた。
「離してください!」
大声を出して手を振り解こうとするが、
余計に強く握られて、痛みが走った。
「遠慮しないでさ~、
俺らといいことしようぜ~。」
もう一人が、私を
無理矢理バイクに乗せようとする。
「やめて!!」
私が、必死に抵抗すると、
急に、犬のけたたましい鳴き声が聞こえてきた。
「お前ら、何やってる!
警察を呼ぶぞ!」
それは、たまたま犬の散歩中だった
初老のおじさんだった。
一人は、すごんでおじさんを睨んだけど、
もう一人が、
いいから次行こ~ぜ、と言って、
私を突き飛ばすと、
うるせぜ、くそじじい!、
と捨て台詞を吐いて、去っていった。