『私も歩けばイケメンにあたる♪』
家に帰ると、
皆が心配して玄関で待っていた。
いつも仕事で帰りが遅いおじさんが、
私のために仕事を切り上げて帰っていた。
心さんは、栞たちに連絡を取って、
車で走り回り、
範君も、部活が終わって疲れているのに、
駅の周りを探してくれたらしい。
『ひかりの行きそうな場所に心当たりもないなんて、
母親失格ね。』
いつも明るい母にそう言われたのが、
一番堪えた。
「ごめんなさい・・。」
小さい子供のように、
うつむいてあやまると、
母は私をそっと抱きしめてくれた。
私の汚れた制服も、
あいつが
『ドジだから転んだ』
と言ってくれたので、深く追求されずにすんだ。
ごめんなさい・・。
私のことを心配してくれる
“家族”に
ココロからすまないと思い、
ココロから、感謝した。