『私も歩けばイケメンにあたる♪』

「え、いいいいよ。」

焦って、おかしな返事をすると、
あいつが入ってきた。


「何か用?」


「ああ、実は、大野らがさ、」


「大野さん?」


私が、過剰に反応した拍子に
側にあった鞄の中身をぶちまけてしまった。


「ほんとドジだな、お前~。」


そう言いながらも、
あいつは、どこか楽しそうな雰囲気で、
私と一緒に鞄の中身を拾ってくれる。


と、

突然あいつの手が止まった。


「なんだ?これ・・。」


いぶかしむ声を出すあいつの手に握られているのは、
茶封筒・・。


「あっ!」

私が慌てて、あいつの手から、
それをむしりとった拍子に、
封筒の中身がこぼれ、ばらばらと空中に舞った。


それは、
父からの入学祝い。


一万円札が3枚。





< 272 / 462 >

この作品をシェア

pagetop