『私も歩けばイケメンにあたる♪』
「え、いいいいよ。」
焦って、おかしな返事をすると、
あいつが入ってきた。
「何か用?」
「ああ、実は、大野らがさ、」
「大野さん?」
私が、過剰に反応した拍子に
側にあった鞄の中身をぶちまけてしまった。
「ほんとドジだな、お前~。」
そう言いながらも、
あいつは、どこか楽しそうな雰囲気で、
私と一緒に鞄の中身を拾ってくれる。
と、
突然あいつの手が止まった。
「なんだ?これ・・。」
いぶかしむ声を出すあいつの手に握られているのは、
茶封筒・・。
「あっ!」
私が慌てて、あいつの手から、
それをむしりとった拍子に、
封筒の中身がこぼれ、ばらばらと空中に舞った。
それは、
父からの入学祝い。
一万円札が3枚。