『私も歩けばイケメンにあたる♪』
あいつは、本当に、
“ちょっと”で戻ってきた。
私は、両腕で頭を覆い、
目を合わせないようにする。
「おい。
ちょっとしみるぞ。」
あいつの声に驚いて顔を上げると、
あいつの手には、消毒液とガーゼが握られていて、
ベッドの横には、救急箱が置かれていた。
「え?
ちょっと待って!」
私の言葉も聞かず、
足の傷に消毒液を振り掛けた。
「ぐっ!」
あまりの痛みに声にならない。