『私も歩けばイケメンにあたる♪』
あははは、と、大笑いして、
止まりそうもない。
「何がおかしいのよ!」
人が真剣に抗議しているのに、
こんな風に笑うなんて、人間の風上にも置けない。
「いいかげんに・・、」
“笑うのやめなさいよ!”
と続けるはずだった私の言葉は、
あいつの胸に顔をうずめるように抱きしめられて、
さえぎられた。
「悪ぃ。
お前が俺を頼らないのも当然だな。
お前のこと疑ってんだから。
ほんと、馬鹿だな、俺。」
明るい声に、あいつを見上げると、
いたずらっこのような、
キラキラした瞳が私を見つめていた。
急に心臓がバクバクと脈打ち、
どうしようもないほど、
体温が上昇していく。