『私も歩けばイケメンにあたる♪』
「まったく、馬鹿よ!
ほんと、あんたってば、
失礼なんだから。」
心臓の音を気づかれたくなくて、
体を離すと、早口で、まくしたてた。
「・・・うちの親父との再婚のこと、
なんか言ってたか?」
「別に。
お父さんは、私たちのことには関心ないし。
私を引き取る気もないし。」
余計なことを言ったと思ったが、
後の祭りだ。
「ひかり・・。」
初めて聞く、
動揺したような頼りない清の声。
「別に、気にしてないから
平気。」
同情されるのが嫌で、
わざと、大きい声で言った。