『私も歩けばイケメンにあたる♪』

「いよいよデートかぁ。」


栞の言葉に、周囲をきょろきょろと見渡して、
頭を低くする泥棒みたいな格好の私。


「ちょっと、声おっきいって!
まだ付き合うって決まったわけじゃないし。

出かけるのだって、皆でかもしれないし。」


あの状況で、
あの誘いの言葉が、
皆で出かける--そんなわけはないのだろうけど、
逃げ道を確保したい私の悪い癖。


「そんなこと言って~。
ひかりはもっと、自信もちなよ。

清は、ひかりのこと好きなんだからさ。
ひかりだって、清のこと好きなんだし、
きっとうまくいくよ!」


ついこの間、
悲鳴を上げて、あいつを拒否したことに比べれば、

ずいぶん進歩したとは思うけれど、
自分に自信がもてないのは相変わらずだ。

それでも、
自分の中で、あいつの占める割合が、

日ごとに大きくなっているのは隠しようがなくて、
なんとかして、自分を変えようと、

大きく一歩を踏み出そうとしている自分がいる。

他の人にとっては、
ばかばかしいくらいの、
小さな一歩にすぎないかもしれないけど。











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