『私も歩けばイケメンにあたる♪』
⑬真実
帰りの電車は、
2人で並んで座った。
清が右側に座ったために、
私の神経は、右側だけが、研ぎ澄まされ、
電車が揺れて、清の体と密着するたびに、
体中が、どくどくと脈打っていた。
そのうち、杖をついたおばあさんが、
電車に乗ってきた。
込み合ってはいないけど、
席は空いていなかった。
どうしよう、譲ったほうがいいのかな?
でも、皆座ってるし。
私がおろおろしている間に、
清は、ごく自然に席を立っていた。