『私も歩けばイケメンにあたる♪』
「あれ?」
マンションまでついて、
鍵を差し込む。
差し込むまでは、普通にできるけれど、
鍵が回らない。
貸してみろ、といって、
清がやったけど、やはり、鍵は回転しない。
「鍵が違うんじゃねぇのか?」
清は、小ばかにしたような目で、
私を見る。
「そんなはずないよ。」
そう言って、ドアを見回す。
部屋を間違ってるわけもないし・・、
そう思いながら、表札に目をやって、
どきりとした。
ついこの間まで、
かかっていた、
“倉本”
の文字が・・・ない。
そんな馬鹿な。
3階の端から2つ目。
この部屋で間違いない。