『私も歩けばイケメンにあたる♪』
それが、嬉しいのか、悲しいのか--、
辛いのか、悔しいのか--、
すでに、私の感情は闇鍋みたいに、
ごじゃまぜになって、正体不明な状態だ。
父に捨てられて以来、
こころの奥底に溜まり続けてきた、
あふれるほどの、感情という名のマグマが
一気に噴火して、
私は手の付けられない、きかん坊のように、
清にすがって泣き続けた。
「やっぱり、私は、いらない子なんだ。」
「・・・。」
「お父さんは、血が繋がってても私が嫌いで、」
「・・・。」
「お母さんは、血が繋がらない私が邪魔で。」
「・・・。」
「じゃあ、私はどこに行けばいいの?
帰る場所、ないじゃん・・。」
ワアワアと、泣き喚く私の頭と背中を
ただ、優しい掌だけが行き来する。
人目も気にせず、
何も考えず、
ただ、こころのままに、
感情をあらわにする日が来るなんて、
想像していなかった。