『私も歩けばイケメンにあたる♪』
「そっかぁ?」
清が覗き込んでくるのが
わかって、
慌てて顔を袖で拭こうとすると、
両手を絡め取られた。
「じゃあ、確認な。」
そう言って、清は、
私のまぶたや、頬をなでてきた。
「これは涙だな。」
指ですくっては、
ここも涙か、
などと、考えるそぶりをしてつぶやく。
やがて、鼻の下あたりに清の指が近づいたとき、
「だ、だめぇ!」
思わず叫んでしまった。
「なんで?」
「なんでって、
だって、
鼻水が・・。」
「鼻水が?」
わかっていて、わざわざ私の言葉を繰り返す。
こんなときの、
清の瞳はいつものアレだ。
「だから!
鼻水が出てるの!
悪かったわね!」
やけくそ気味に、私が叫ぶ。