『私も歩けばイケメンにあたる♪』
くすくすと笑って、
清は、ティッシュを取り出した。
「男の癖に、良くそんなもの持ってるね。」
私が目を丸くすると、
「俺は紳士なんだ。」
わざと大真面目に言われて、噴き出した。
自分でやると言うのに、
清は、ティッシュを私の鼻にのせると、
ちゃんとかめ、
といって、鼻を拭いてくれた。
私は、幼稚園児になった気分だ。
そろそろ帰るぞ、と言われて、
素直に立ち上がった。
正直家に帰りたい気分ではなかったけど、
清と一緒なら、それでいいや、と思えた。
「おっと、拭き忘れだ。」
その言葉と共に清の指が、私の顔に伸びてきた。