『私も歩けばイケメンにあたる♪』
「お~!
楽しそうなことしてんねぇ~。」
「俺たちも混ぜてくれよ~。」
聞き覚えのある声に、
ぎょっとなる。
「行くぞ。」
2人組の男を無視して、
清は、私の手をつかむと、
足早に歩き出した。
「そんなつれないこと言わずにさぁ~。」
「あれ、この女、こないだの・・?」
一人の男が、私の顔を覗きこむように眺めて、
つぶやいた。
暗くてよく分からなかったが、
やはり、この間、私を襲ってきた
2人組みのようだった。
私は、身震いしたが、
その声に、反応したのは、
私ではなく、
清だった。
「てめぇら、こないだってなんだよ?」
清の背中に隠れるようにしている私には、
どんな表情をしているのか
まるで見えない。
でも、その声は、
鳥肌が立つほどに、
恐ろしい怒気を放っていた。