『私も歩けばイケメンにあたる♪』
「ひかり!」
「お母さん!」
母の顔を見たら、
栓の壊れた水道みたいに、いっぺんに
涙が溢れ出した。
マンションの話なんか、すっかり頭から抜け落ちて、
ただただ、母にしがみついた。
「どうも、ご迷惑をおかけしました。」
おじさんと母が、丁寧に頭を下げている相手は、
喧嘩相手ではなく、警察官だ。
「お子さんたちは、
巻き込まれただけのようですし、
幸い、怪我もたいしたことはないようですから。
ただ、高校生が、あまり遅くまで
出歩くのは、危険ですから、
おうちに帰ったら、よく、注意をしてください。」
おじさんと母に促されて、
私と清も頭を下げた。