『私も歩けばイケメンにあたる♪』
パジャマに着替えると、
部屋をノックする音がした。
「ひかり。まだ起きてる?
入っていいかしら?」
母が私の部屋に入って来るのは
小学生の時以来なので、
びっくりした。
「お母さん!
どうしたの?」
「うん、ちょっとね。
ひかりと話をしようかと思って。」
ふふふ、と笑いながら、
母は、ベッドのふちに腰掛けた。
「なんか、お姫様みたいね部屋ねぇ。」
「でしょ?
こんなベッド、どこで売ってんだろうね。」
「オーダーメイドらしいわよ。」
「お、オーダーメイドって、
まさか、注文して作る1点物ってこと?」
「当たり前じゃない。
何言ってるの?」
おかしな子だわ、
といいたげに、
母はニコニコしている。
母の天然ぶりは、やっぱり偉大だ。
改めて実感する私。
オーダーメイドと聞いて、
眉一つ動かさないなんて。
一般庶民の私は、
一体いくらくらいするんだろうかと、
俗なことを考えてしまったのに。