『私も歩けばイケメンにあたる♪』

母の話す内容は、その軽い口調とまるで正反対の重い中身のはずで。

盛りだくさんの消化しきれない内容が、

私の頭に蓄積していくんだけど・・。


「まさか、お父さんが、そんなすぐに
マンションを処分するとは思わなくて。

かえって、ひかりを傷つけちゃって、ごめんね~。」


待ち合わせに遅刻してごめんね~、
くらいの軽いのりだ。

あいかわらずの、あっけらかんとした母の様子に、
私は、重苦しく色々と考えていた自分が
おかしくなった。


「あはははは。」


「ひかり?」


「なんでもない。ちょっとおかしくって!」


「そうなの?」


母の不思議顔に、ますます笑った。


< 337 / 462 >

この作品をシェア

pagetop