『私も歩けばイケメンにあたる♪』
母の話す内容は、その軽い口調とまるで正反対の重い中身のはずで。
盛りだくさんの消化しきれない内容が、
私の頭に蓄積していくんだけど・・。
「まさか、お父さんが、そんなすぐに
マンションを処分するとは思わなくて。
かえって、ひかりを傷つけちゃって、ごめんね~。」
待ち合わせに遅刻してごめんね~、
くらいの軽いのりだ。
あいかわらずの、あっけらかんとした母の様子に、
私は、重苦しく色々と考えていた自分が
おかしくなった。
「あはははは。」
「ひかり?」
「なんでもない。ちょっとおかしくって!」
「そうなの?」
母の不思議顔に、ますます笑った。