『私も歩けばイケメンにあたる♪』

部屋はまだ闇の中で、
清の表情は見えない。

でも、私には、
清が泣いているみたいに・・見えた。


「連れ子ってこと?」


「いや、連れ子ならまだ良かったんだけどな。」


「範君は、清と年子だよね?」


「ああ。
でも、範は正真正銘、親父の子供。

おふくろは、親父と付き合ってたのに、
別の男の子供を妊娠したんだ。
それが、俺。」


清は、ふっ~、と息を吐いた。


「親父は、腹の中の子供--つまり俺が、
自分の子供だと思って、
籍を入れたんだ。

お袋は、俺が7歳の時に病気で死んで、
俺も、ずっと親父の子供だって
思ってた。」


12になるまでは、
と、呟いた清。

清の緊張が伝わってきて、
私は息を詰めた。


「俺が12歳の時に、事故にあって、
血液型を調べたんだ。

そしたら・・、
親父の子供じゃないことが発覚した。」









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