『私も歩けばイケメンにあたる♪』
私は言葉に詰まった。
清の悲しみが、苦しみが、
痛いくらいに伝わってきて・・。
私は、清の手をぎゅっと握りしめた。
もう話さなくていいよ、
と言う私に、
最後まで聞けっていったろ、
と、清はやさしく囁いた。
「今まで生きてきた土台を、一気に崩されたみたいな気がして、
俺は、家を飛び出した。
夜の街をふらついて、
遊びまくって、
悪いこともたくさんやった。
ガキだったから、自分のことにいっぱいいっぱいで、
気づかなかったんだよな。
傷ついたのは、
俺だけじゃないってこと。
親父も、心も、範も。
家族みんなが、傷ついたのに、
それを思いやるだけの余裕が、
そん時の俺にはなかったんだ。」