『私も歩けばイケメンにあたる♪』
清は、私の頭に、ぽんと掌を乗せた。
「ひかりのことじゃないんだから、
泣くなよ。」
清の言葉に、自分が泣いてるのが
わかったけど、やっぱり涙があふれてきて。
「お前泣いてばっかだよなぁ。
涙を集めたら、
泳げるんじゃないか?」
からかうような口調だったけど、
私の頭に置いた手は、とても暖かい。
「私も、お母さんと血が繋がってないの。
だから、清の気持ち、良く分かるよ。」
意を決しての告白だったのに、
清はあっさり、知ってるよ、と笑った。
「親父は、俺たちには、何でも話してくれるからな。
おばさんとの出会いも、
ひかりのことについても、
再婚するにあたっての
俺たちの意見も、
家族会議で話し合い済みだ。」