『私も歩けばイケメンにあたる♪』
「ほら、いくわよ、ひかり!」
母の声とともに、
私に向かって投げられたのは・・。
ブ~ケ!!
それは、ゆるやかなアーチを描き、
私の腕の中にすとん、と納まった。
凛とした雰囲気が、
独特の魅力をかもし出すカラーのブーケ。
私が、花屋さんで一目ぼれして、
母へのブーケに選んだものだ。
近づいてきた母の目には、
うっすらと涙が浮かんでいて、
私を抱きしめると、
耳元に囁いた。
『お母さん、今とっても幸せだよ。
これからも、よろしくね。
ひかり!』