『私も歩けばイケメンにあたる♪』
風がやさしく頬を撫でて、
庭の木漏れ日はとても輝いていて。
あちこちで、みんなの笑い声が聞こえて。
母たちは、
こっそり招待したお友達と、
ワインを飲みながら談笑している。
時間も少なくて大変だったけど、
頑張った甲斐があった!
「おい、なにぼけっとしてんだ。」
幸せを噛み締めている私の頭に、
乗せられた清の肘。
「私は、肘置きじゃないんですけど。」
「そうか?
お前の頭の高さが俺の肘を置くのにちょうどいいからな。」
「背が低くて悪ぅございましたね。」
「誰も、そんなこと言ってないだろ。
被害者意識が強い女だな。」
清と素直に向き合うようになって、
1ヶ月。
一応、恋人同士には、なれたみたいなんだけど、
相変わらずの、清の態度に、
甘いものを期待するのは、無理かな。