『私も歩けばイケメンにあたる♪』
「おい、ちょっと来い。」
「え?ちょっとどこ行くのよ?」
強引に手をひっぱられて、
家の裏側の、庭の隅に連れてこられた。
背中を木に押し付けられたかと思うと、
顔の両側を清の腕に挟まれた。
「な、何?」
「お前、さっきから、ぜんぜん俺の目を見ないだろうが。
俺を避けて、他のやつらとばっかり話してるし。
何の真似だぁ?」
心当たりのある私は、
清のぴりぴりした声に、
不自然に視線を泳がせる。
「何の真似だって、聞いてんだぜ?」
清の冷たい指が顎にかかって、
上を向かされた。
清の茶色い瞳が、影に入って、
猫のように黒い瞳の面積が広がる。