『私も歩けばイケメンにあたる♪』
清の手に、私の涙がぽたりと落ちた。
「俺の将来の夢、聞いてくれるか?」
上目遣いに私を見る清の顔は、
いつもの偉そうな清じゃなくて、
すごくやさしい、けど、
もう決めたって、すっきりした顔してる・・。
私が行かないでって、とめても・・無駄だろうなって顔。
「俺、将来福祉の道に進みたいんだ。
お年寄りとか、体の不自由な人とかの役に立つ物を作るのが俺の夢。」
知ってるよ。
介護施設でボランティアしてるし、
電車の席もすぐに譲ったもんね。
「今度、施設でボランティアさせてもらえることになったんだ。
体に不自由がある子供を、夏休みなんかに、面倒みるんだけど、
家からじゃ、ちょっと遠くてな。
親父に相談したら、やりたいことやっていいって言ってくれたんだ。」
「高校は、どうするの?」
「今よりは、遠くなるけど、ちゃんと通うよ。」