『私も歩けばイケメンにあたる♪』
一回りしてから、
栞の提案で、ファーストフード店に入ると、
店内は、大勢の人でごった返していた。
先に注文した栞が、ドリンクを持って、
席を探してくれている。
私が、頼んだココアは、ちょうど品切れだったのか、
『2分程、お時間がかかりますが、
よろしいですか?』
と、言われ、
私は、頷いて一人で待っていた。
精神的に疲れたからか、
無性に甘いものが飲みたい。
店の入り口を見たが、
あいつの姿はなかった。
やっと、あきらめたか。
私は、
ほぅ~、
と軽く息を吐くと、栞の姿を探した。
「こっちだよ~!」
栞が、私に手を振って合図をくれる。
思わず笑顔になって、その方向に歩いて行くと、
私の目に飛び込んできたのは、
栞の向かいの席に、
まるで当然、
といった風に腰掛けている、
あいつの姿、
だった。