『私も歩けばイケメンにあたる♪』
照りつける太陽。
暑苦しいせみの鳴き声。
そんなものが、すっかり終わろうとしている、8月の終わり。
私は、ちょっと大きめのボストンバッグ片手に、電車に揺られていた。
中には、お菓子やタオル、ブラシに日焼け止め、それから・・・ちょっと派手めなセパレートの水着。
清とむかえた、初めての夏休み・・・。
すっごく期待してたんだけど、世間の風は厳しく。
清は施設でのボランティアと、慣れない独り暮らしにてんてこまいで、
私は、期末考査の成績が芳しくなく、学校での補修授業を義務付けられていた。
そんなこんなで、二人でゆっくりデートする暇もなく、
とうとう、新学期まで残すところあと1日となってしまったのだ。