『私も歩けばイケメンにあたる♪』
朝ほどではないものの、帰りの電車は、
サラリーマンや、学生たちで、混んでいて、
残念ながら座るのは、無理そうだ。
なるべく、あいつと離れた位置に立って、
携帯を開く。
雅にメールしたいのが理由だったけど、
それだけではないような気もした。
つり革につかまらずに、携帯を見ていたせいか、
電車の揺れに、足を踏み出して、
前に座っている、知らない人の足を踏んでしまった。
「す、すみません!」
あわてて、足をどけた瞬間、電車がさらに大きく揺れて、
私の体が、ふわっと、後ろに傾いた。
しまった!
そう思った瞬間、
私の体が、後ろから、
しっかりと抱きとめられた。