『私も歩けばイケメンにあたる♪』
「す、すみません!」
顔の見えない、背後の相手に、
さっきと同じようにあやまってから、
私に回された、
がっしりとした腕の持ち主が、
あいつだと気付いた。
「危ねぇだろ。
気をつけろよ。
ドジ女。
手間かけさせんな。」
あいつは、私の傾いた体を支えると、
ゆっくりと、重心を戻して、私を立たせてくれた。
「あの、ありがとう。
ごめんなさい。」
あいつの、
その一連の動作に、
口で言うような、乱暴なところは見つからず、
私は、不覚にも
お礼を言ってしまった。
次の瞬間、
あいつは、私の耳元に唇を寄せて、
吐息混じりに、囁いた。
「幼児体型。」